記録 入院生活と退院後

入院生活について

 持ち物や過ごし方については入院のしおり通りのもので大体事足りました。

記載に無く持っていって良かった思ったのは暇つぶしの本と顔剃り用の剃刀。

 入院部屋の選択についてですが、僕は無料の大部屋にしましたが個室にするべきだったと後悔しています。大変元気な人の隣の席に当選してしまい、入院初日(手術前夜)から深夜にナースコール連打されたり騒がれたりそれが退院日まで毎晩続きオイオイマジかよって日々を送るハメになりました。

手術前夜は手術に持ち込む用のギターを蹴られたりして混乱しかけました。

入院食は少なくいつもお腹が空いていました。

 

術後の症状

・1~2日目

身体の怠さは無いけど左手の瞬発力が無くなる。

硬直症状は消失。

跳ねると頭がカラカラ鳴る(頭開けた所がまだ隙間あるだけで問題ないとのこと。)

・3日目~

左半身の間隔が少し鈍くなりふらついたりぶつかったり物を落とすことが増える。

・11日目~

徐々に左半身の感覚が戻る。

時々左手が震える。

・17日目~

左手でシャンプーが出来たり団扇を使えたり器用さが徐々に回復する。

11日目から出た震えは依然としてある。

 

そんなこんなで術後から一ヶ月以上経過しておりますが、普通に運動できています。

左側がぶつかることもふらつくことももう無いですが、予測していなかった震えが出てきました。

定期検診で聞いた所、熱凝固した部位が密接する震えに関与する部分に何らかの作用を及ぼしているか、ジストニアの硬直が消えたために隠れていた振戦が現れてきたのではないかと仰っていました。とりあえず経過観察です。

 

ギターの演奏に関しては1年ぶりにコードを押さえられました。

単音弾きやコードチェンジの速度も初めはスムーズに出来ませんでしたが、徐々にスピードが上がっています。

ただ、震えの症状が出てしまうと弾けません。

 

定位脳手術を受けたことについて、震えの症状が出てしまっていますが当時は受ける以外に選択肢がなかったので後悔は無いです。

震えが出ていないときは普通に弾けているので、プラスにはなったかと。

 

人生がハードモードだった。

f:id:fnz_dyst:20191014000513j:plain

 

 

記録 定位脳手術

9月上旬に局所ジストニアに対する機能的定位脳手術を受けてきたので、手術についてと入院生活2つに分けて症状の変化や感想を交えて記録を残します。

 

・入院日(手術前日)

 お昼過ぎに入院手続きを済ませこれから自分が過ごす病室へ行き入院着に着替えました。そのまま諸検査(MRI CT 採血 尿検査 心電図 レントゲン)と持ち込んだギターの調整を済ませ翌日を待ちました。

 

・手術日

AM 8:00 点滴開始(この日は絶食)

AM 9:00 看護師と徒歩で別病棟へ移動し手術用のフレームを装着

  フレームは平先生により装着していただきました。ここでフレームのボルトを打ち込む位置へ注射で局所麻酔を打ちます。眼鏡、コンタクト不可でした。装着後MIR CT検査を行いました。寝転がると地面から直接頭蓋骨を支えられているみたいですごい違和感でした。

AM 12:30 トイレを済ませ徒歩で手術室へ行き手術

 症状確認用のギターを付き添いの看護師の方へ預けます。執刀医は平先生です。手術内容は頭に孔を開け、ジストニアの症状や身体の痺れを確認しながら脳の異常箇所を焼いたと思われます(当然ながら見れはしませんでした。)

 手術室でそのままフレームを外されMRI CT検査をし病室へ搬送、翌朝10時まで安静でした。搬送された後は平先生が直接病室へ来てくださり、症状の確認や安静の指示をして下さりました。

 

・手術翌日

 決められた時刻まで絶対安静なので尿瓶にも慣れずトイレに行けずベッドで退屈でした。来てくれた妹に笑われながら入籍報告をいただきました。おめでとう。妹入籍、兄入院。

 

手術を通しての痛みなど

・フレーム装着時の局所麻酔

 注射器で頭皮へ麻酔液を注入されます。ブチッと言う音の後にジュルルと液を注入される感触が有りました。痛みとしては大きなニキビを潰す程度でした。

・手術中

 頭皮を開く時は皮膚がジジジと焼けたりジョリッと切られる音、感触はあるものの麻酔されているので痛みは無し。頭蓋骨孔開けはバイクや農業機械に頭をピッタリ付けている時のような音と振動でしたが、脳を焼く時も痛覚が無いらしいのか痛み無しです。

・フレームを外した痕

 滅茶苦茶痛い。術中に並行して痛み止めの点滴を打たれていたみたいですが、他の方のブログでも記載されている通り一番痛かったです。でも退院後自宅で足の小指をベッドの角にぶつけた方が痛かったです。

 

ジストニア症状の変化

 自分の症状は震えではなく硬直で目に見えて分かるものではないので確認しながら手術を行えるか不安でしたが、平先生が弾いてみてと言われた後手術台でスケールを弾いた所、小指薬指が1年ぶりに独立して動き症状の改善を実感できました。

 

感想

 脳手術という大きな事では有りましたが、局所麻酔+頭蓋骨削る→歯医者と同じじゃん?と頭に浮かび然程緊張は有りませんでした。手術台へも自分で歩いていって昇ったので。術中脳の焼く位置を確かめている時左半身全体が痺れてきた時がありましたが、報告すればちゃんと止めてくれるので大丈夫です。

 自分自身手術は初めてで、フィクションの白い巨塔医龍のイメージしか無く、また歯医者などで主治医の方が助手に器具の名前だけ伝え取るように指示する場面しか見たことが無い人生だったので、平先生の手術は終始「~取ってください~」という口調で進められ優雅な印象でした。

 焼いた部位の浮腫による身体の不調はこの先何かしら現れるだろうけど、それは浮腫が引くにつれて治まるものだし、術中にジストニア症状の改善が見られ手応えを感じた手術でした。

 周知されていない神経障害な為に長い間病院ジプシーをしましたが先生本当にありがとうございますという気持ちです。

 

定位脳手術に向けた病院の受診

結論から申し上げます。2019年9月、術式「機能的定位脳手術」という名目でフォーカルジストニア治療の為の手術をすることになりました。

 

東京女子医科大学

前記事(症状と治療 - とあるギター弾きのジストニア忘備録)病院巡りで受診予定と記載した東京女子医科大学へ行って参りました。

予約の電話から初診まで3ヶ月を要しました。

予約の担当医は機能的脳神経外科の平孝臣先生です。

 

受付から待たされることも無くほぼ予約時間通りに脳神経外科のフロアへ案内されました。(前に通っていた神経内科は予約時間から受診まで90分待ちがデフォだったのでスッキリ…)

念の為ギターを持っていきました。持って行って良かったです。

 

平先生の受診前に別室で違う先生に症状を見てもらいました。

・ギターを実際に弾いたときの手の症状

・キーボードを打つ時の手の症状

・物を持つ際、握り込んでしまい指を掛けられず持てない現状

などをそこで説明しました。

「あ~典型的ですね」と言われました、

その後少し待たされました。廊下で一人ギターを弾いていました。弾けないのだけど

f:id:fnz_dyst:20190618233913j:plain

(PRS 88年製 Studioさんです)

 

数分待ってから平先生と対面でした。

ジストニアの手術に関する資料を貰い、リスクを含め概要説明をしていただきました。

その上で手術を受けるかどうかを問われましたが、その気で此処へ来たのでYESと応えました。

此処まで漕ぎ着ける人はきっとそういう人だけなのでしょうか、平先生もデスヨネーと言った感じのリアクションでした。

手術の期日について、女子医大だと最短で確か5~6ヶ月先になるとの事でした。

ですが、平先生が別に勤務されている埼玉の三愛病院という所では最短で9月に手術を受けられるとの事で、僕は後者を選びました。

 

三愛病院

帰り道に即予約の電話を入れ、翌週三愛病院を受診しました。

こちらも待ち時間なく平先生とご対面。ジーンズに白衣と言うラフな格好が少しリラックスさせてくれました。

この日はギターは持っていきませんでした。

再び手術を受ける事について最終確認をした後、入院予約やその説明を別の担当の方にしていただきました。

 

そんな2つの病院の受診記録でした。

あとはその日を待つだけの状態です。


 

高額医療費限度額適用認定証

お金のお話です。簡単に言うと入院、手術など込の費用を安く済ませる制度です。こちらも入院案内時に説明して頂きました。

www.kyoukaikenpo.or.jp

受診翌日の出社日に勤務する会社の総務へ申し出て申請したので取り敢えず一安心でしょうか。

 

 

手術に対しての不安

・平先生曰く、10人に9人は成功するとのこと。

僕は昔からくじ運が悪いので、その一人を引いてしまうのでは無いか…

・退院後翌日から復職可能。

自宅療養とか本当に必要ないんだろうか…

ジストニアに影響を及ぼす薬

前に通っていた神経内科で処方されたスルピリドと言う薬はジストニアの原因にもなる為に服用は避けるべきと平先生が仰っておりました。実はジストニアも1つの要因ですが、ある日から精神的に参ってしまい神経内科を離れた後も心療内科にかかりスルピリドを処方されているので、悪影響を及ぼしているのではないかと不安になる次第です。

・術日当日

ギターに関しては弦を2本だけ押さえるパワーコードすら弾けなくなっている為、もうしばらく触っておりませんでしたが、術日は局所麻酔の覚醒下で弾き手の調子を確認しながら行うので当日鈍り過ぎて解消の判別が困難になっているのではなどもまた不安です。当日までどう過ごせば良いことやら。

 

三愛病院は東京女子医大で平先生に紹介を受け受診しましたが、三愛病院の問診票に紹介状は無しと記載されていました。ですが、特に特別医療費を請求されることもなかったので、ジストニアに悩み定位脳手術を考えられる方は直接三愛病院を受診されたら良いのではないかと思いました。

 

 


症状と治療

・自分の症状

左手の薬指、小指、左前腕の硬直、ツッパリ、巻込み

発症からこの記事を書く9ヶ月間の間に徐々に範囲や度合いが悪化しました。

小指が1フレットずれる症状から始まり、薬指も動きが鈍くなる。→意思とは関係なしに薬指小指の巻込みが現れ、ハンマリングやプリングオフ、コードチェンジが出来なくなる。→硬直度合いのLv.が上がりパワーコードを押さえられなくなる

とか演奏に関してはそんな具合です。震えは今の所無いです。

私生活では左手でのタイピングが不可能になり、ここ最近は無意識に硬直する力に反発する動きをしてしまっているのか、左手で物をよく落とすようになりました。

 

・病院巡り、治療

脳神経外科

→局所性ジストニアについて調べ、筋肉ではなく脳信号の異常だと知り真っ先に自宅近所の脳神経外科へ行きました。使い過ぎだから休みなよと諭されMRI代だけ支払い帰路へ。

②整体

→気休め程度に行ってみました。猫背なので気持ちよかったです。左手は問題なく異常なまま。

③江古田の某整形外科

→リハビリ主体の治療方針。フォーカルジストニアの認知度を痛感し、見識のある医師を求めてここへ。ここでジストニアと正式に診断されましたが、リハビリのスケジュールを尋ねた所、記憶では「年単位で確実に毎日こなすことが必要」との事。

僕はプロとかでは無く普通の会社員なのでそのスケジュールをこなすのは厳しく、断念しました。

ここでは超音波で腱や筋肉の動きを確認しました。

都内の某スタジオと提携しているようで、先生が同伴して下さり実際に診てくれます。(僕は行きませんでした。)

時間に余裕のある方は治療法内では有力候補だと思います。

 

鍼灸

→「フォーカルジストニア 治療」でググる鍼灸も候補に出てきますね。念の為行ってみました。結果は治らず。

鍼師の方はフォーカルジストニアについてご存知でした。「5~6回通って治らないようでしたら神経外科ですかね~」と言っていました。提携内科があり、そこでもフォーカルジストニアと診断され保険適用でした。

5回通った後、何も言われず不審に思ったままその後も通いました。

「初めに仰ってましたけど、依然治らないので外科行ったほうがいいんですか」と尋ねた所、「うちは根本的に治すというより軽減ですから、そうですね~」との事でした。

先に言ってくれよ、保険適用とは言え3ヶ月毎週¥5,000の出費は結構痛かったです。

 

神経内科

→目黒の神経内科です。ここでは治りませんでしたが、局所性ジストニアの終着駅と思われる大学病院への紹介状をここで頂きました。

処方薬

1.アロチノロール

説明:心臓の負担を減らす→効果なし

2.抑肝散

説明:イライラを和らげる→効果なし

3.リボトリール

説明:脳神経の興奮を鎮める→効果なし

4.エペリゾン

説明:筋肉の強張りを和らげる→効果なし

5.芍薬甘草湯(シャクヤクカンゾウトウ)

説明:筋肉痛を和らげる→効果なし

6.スルピリド

説明:意欲低下を改善させる→効果なし

7.アーテン

説明:手足の震えを抑える→効果なし

以上の処方薬を単独や組み合わせ等で2週間毎に切り替え実験的に治療を行っていました。モルモット 説明はお薬手帳のものです。調べたら鬱病統合失調症へ処方するらしい薬もあってビビりました。

薬の副作用について、眠くなるとか喉が乾くとか言われましたが、自分的に花粉症の鼻炎薬のほうが喉が乾くと思います…

結果全て効果は無かったですが、この神経障害については想定内であったし担当医は話を遮らずよく聞いてくださる方で、良かったです。

ボトックス注射の提案もありましたが、費用期間筋肉への影響を考え断りました。

ここではMRIを脳と頚椎計2回撮りました。異常無しです。

 

東京女子医科大学

 →2019年の夏に初診予定です。ジストニアの治療を調べた時に真っ先に目にするのがここだと思います。ここに来るまで色々回りましたが、先人達の記録を覗く限りここに来るまでの猶予だったと思います。

やはりとても混み合っているらしく、予約の電話から初診まで僕の場合3ヶ月掛かりました。

まだ此処で手術を受ける事は確定していませんが、手術経験者の記録を見る限り担当医が木曜日にいらっしゃるので、火曜日に入院~木曜日手術となるのではと思われます。

 

・余談

フォーカルジストニアを発症した当時、ゴミ箱で拾った松本清張の本を読んでいました。後から調べたら、松本清張さんも書痙(局所性ジストニアの別称)を患っており、

肝臓がんで東京女子医科大学で亡くなられたそうです。

少し皮肉めいたものを感じました。

 

 

発症と判明 ※病院巡り、治療は次記事より

・フォーカルジストニアとはなんぞや

なんぞやとは言いつつ、この様な記事を読まれる方は既に嫌という程ジストニアについて調べられていると思うので割愛します。

簡単に言えば「脳の運動神経回路が異常を来し、筋肉が異常に緊張し付随運動を生じる神経障害」と解釈しています。

www.twmu.ac.jp

 

手などが自分の意志通りに動かないとかだけなので、命に関わる病気ではないですが、楽器をする人にとっては致命的ですね。

キーボード奏者のキース・エマーソンさんも局所性ジストニアになり拳銃自殺したとか、本当に致命的な神経障害です。

 

・発症と判明

2018年8月末、当時師事していたギタリストの元でレッスン中に突然スケールが弾けなくなり、小指を使う際に意思と関係なく肘が脇腹へ押し付ける動作をしてしまうのが最初でした。

ドレミと弾こうとするとドレミ#と小指が1フレットずれていました。

 

今迄も好不調は茶飯事であり今回も疲労で少しフォームが崩れただけだろう、そのうち治るだろうと思っていました。数週間経過後も戻らず痛みなども無かったので異常を感じギター弾きの知人に相談すると「イップスってあるよね」と言われたのがセルフですが早期判明に繋がりました。

このフォーカルジストニアはあまり周知されていないのか、本人が気付かないままフォーム修正や反復練習(悪化要因)を繰り返してしまうとか、脳MRIにも異常が見られない事が多く異常無しと診断されてしまい、長くて数年治療へシフト出来ず悪化の沼に嵌まってしまう方も多々とか。。

 

実際僕もとある脳神経外科MRIを撮られた後、「ただの使い過ぎでしょう…」と診断されました。仕方ないとは言え、MRIはそこそこ高額なので未だに遣る瀬無いです。

 

発症原因は自分では分かっていません。

ジャズ系よりも反復練習をこなすクラシック系の奏者に発症者が多いとか、神経質や完璧主義者がなりやすいとも目にします。

発症者のブログを見た限りでは、締切に追われていたり完璧に弾かなければならないなど、精神的に追い込まれた状態で練習をひたすらこなす方が多いと思いました。

 

思い返してみれば、心当たりがあったりします。

発症時期付近に新しいバンド加入の話があったりで曲を覚える必要があったり、音楽というよりはスポーツ的に捉え、カフェイン錠剤を飲み夜通し速弾きやストレッチフレーズをひたすら弾いていた記憶があります。

弾いて楽しかったというより不安を取除くように指だけ動かしていました。

 

努力は裏切らないという言葉が結構嫌いになりました。

はじめに

ここは僕のフォーカルジストニアの症例と治療の経過を記録するものです。

というのも、フォーカルジストニアは難治性の神経疾患であり治療法が確立されておらず、症状や効果的な治療法が人それぞれで違うという現状であり、実際に罹患した人の手記がWikipediaや特集記事よりも僕自身がとても参考になったため、自分自身も症例の一つとして記録を残す事で同じ症状に悩む方などへの情報提供にでもなれば幸いと思った次第です。

 

拙い文章ですが、ご参考までに。